Media Room

04/03/1997

[朝日新聞]

就職鉄壁マニュアル (中省略)なかには、世界中で雇って世界中に配置する多国籍化の進んだ企業もあ る。ある大手機関投資銀行は、米国で雇った日本人をニューヨークやロンドンで勤 務させている。しかし、こうした企業はまれだと思ったほうがいい。 逆にどうしても米国に残りたい人は、米国での企業慣習をよく理解し、米国人と同 じように活動するべきだ。米国企業では新人レベルであっても即戦力を求めるた め、少しでも経験のある人材を優先的に雇う。これは、高校を出て一度働いてから 大学に進学する人や、働きながら大学を出る人なども多いので、日本のように大学 新卒者が職務未経験ということがあまりないせいだ。 だから、早い段階で自分の進路を決め、興味のある企業にボランティア、アルバイ ト、インターンなどの形で入り込むのが先決。たとえ社員として雇われる可能性が 少ないとしても、そこでの経験や人脈が後で役に立つはずだ。(中省略) 人材斡旋会社を利用する手もある。ただし、求人している企業はすぐに人を雇いた がっているので、斡旋会社には在学中ではなく、卒業後にプラクティカル・トレー ニング・ビザを取得できた後で登録する。 「新卒者でも仕事を選ばなければ就職口はたくさんあります」 こう語るのは、ニューヨークに二十社ほどある人材斡旋会社の一つ、マックス・コ ンサルティング社の名倉学社長。日英バイリンガルとしての日本人を求めているの は、圧倒的に日系企業が多い。求められる人材は、「日本的な人ですね。変にアメ リカナイズされた人は嫌われます。こちらにある日系企業は十人、二十人と規模が 小さな所がほとんどなので、そうした職場でも皆とうまくやっていける、協調性の ある人が望まれます」職種としては、秘書やアシスタント業務が圧倒的に多いが、 中には営業や他のプロフェッショナルなポストもある。